Jun
21st
Tue
21st
一日一日を、たっぷりと生きて行くより他は無い。
明日のことを思い煩うな。明日は明日みずから思い煩わん。
きょう一日を、よろこび、努め、人には優しくして暮したい。
青空もこのごろはばかに綺麗だ。舟を浮べたいくらい綺麗だ。
山茶花の花びらは、桜貝。音たてて散っている。
こんなに見事な花びらだったかと、ことしはじめて驚いている。
何もかも、なつかしいのだ。
煙草一本吸うのにも、泣いてみたいくらいの感謝の念で吸っている。
まさか、本当には泣かない。思わず微笑しているという程の意味である。
— via「新郎」太宰治