Sep
2nd
Fri
2nd
トートバッグから原稿の入った封筒を取りだして聖に渡した。
今回の原稿は単行本にして六百ページも分量があるもので、
片手でもつと手首がぐらりとするくらいの重さがあった。
聖は両手でそれをもって、
その厚みと重さを確かめるみたいにして首を軽くふり、わたしをみて笑った。
「信じられる? 人が人に向かって、こんなにも言いたいことがあるなんて」
— via「すべて真夜中の恋人たち」川上未映子